猿投 棒の手

棒の手会館の見学

おまんとう(馬の塔)や棒の手についての収蔵品が展示されています。
特におまんとうについては詳しく分かりやすく説明されており、この地に住んでいる人でも知らないような事が解説されており大変参考になります。

おまんとうとは馬に派手な飾りものを付けて寺社へ奉納する神事だそうです。
猿投祭りでも確かにおまんとうと棒の手隊が一緒に猿投神社に上ります。
古来から尾張や西三河を中心に行われていたようです。
展示品の資料によれば猿投神社では、西暦1400年代後半ごろにはすでに行われていたようで、かなりの歴史のある儀式のようです。昔は春に五穀豊穣を祈願し、秋の収穫後に祈願成就で年2回行われていたようですが現在は秋の1回のみとなっています。

おまんとうが主役で棒の手隊はその警護役にすぎなかったという事ですね。

棒の手会館の展示品につきましては、棒の手の伝承と担い手が絶えてしまった、加納町のものだそうです。

棒の手会館 事務所 棒の手会館 広場
棒の手会館 展示室 棒の手会館 展示室

棒の手会館の展示品の中に中世の猿投神社のおまんとうと警護隊の絵巻物(複製品)が展示されています。往事の猿投神社の様子などが克明に書かれており大変興味深いです。
絵巻物によれば、神社東側、現在はコンクリート工場となっている辺りは断崖となっており、
神社西側には五重塔らしき建物が見てとれます。
神社の近辺に住んでいる方に伺ったところ、現在竹藪になっている辺りに僧坊があり、多くの僧侶達が修行に励んでいたと言い伝えがあるそうです。
恐らく明治の神仏分離でお寺は取り壊され僧達は離散し、神官などへ転職を余儀なくされたと考えられます。
その他にも大きな建物がいくつもあり、何十ものおまんとうやそれに従う何百人の警護隊、むしろを広げて商いをする者や滝の周辺でたわむれる者の姿が描かれており、往事のにぎわいが見てとれます。

たった一枚の絵巻物ですが、文化的価値の高さを感じずにはいられません。

猿投神社 絵巻物 猿投神社 絵巻物

場所:猿投神社より東へ徒歩7分 入場無料 月曜休み